人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「魔法は探し求めている時が一番楽しい」


by chatnoir009
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

NSC

 読売新聞に日本版NSC(国家安全保障会議)の概要が報じられていましたが、やや違和感のある印象です。読売新聞だけではなく、ジャーナリストやアカデミアの方と話していて感じるのは、NSCが戦略や危機管理、情報分析などすべてをカバーするといった、外交・安全保障の万能組織のような捉え方がなされているということです。
 私の理解では、NSCは「平時の戦略決定を行う場所」でしかありません。つまりNSCでは政治リーダー達が、事務局から上がってきた外交・安全保障の案件について、幾つかの選択肢の中から一つを決定するものであり、そこでひたすら議論に終始したり、危機管理を行う場でもないということです。危機管理については既に内閣官房に危機管理監と安危室が設置されていますので、危機管理自体はNSCの仕事ではありません。情報分析についても内閣情報調査室の内閣情報分析官が担っていますので、これもNSCの仕事とは言えません。未だにNSCで情報分析も行うという記事も多いですが、分析はやらないと思います。
 そうなると重要なのは戦略策定を担うNSC事務局とインテリジェンスを担う内調との関係がスムーズに行くかどうかです。理想的なのは、NSCの事務局が内調の情報分析を利用してペーパーを書き、それを閣僚級のNSCで決定してもらうことです。こう見るとNSC自体はそれ程万能の組織というわけではなく、それを活用できるかどうかは政治リーダーの力量にかかっているということでしょうか。
 このプロセスを上手く動かすためには、NSC事務局の運用が重要になってきます。NSC事務局はNSC閣僚級会議のため、「日本の国益のため」という明確な意識を持って仕事をしないといけなくなります。これは当然のように聞こえますが、霞が関ではなかなか難しいことなのです。NSCのペーパーを書くという事は、日本の総合的な戦略のために、外交分野、安全保障分野、経済分野、環境分野、それぞれにまつわる情報など、すべての要素を検討して盛り込むということです。しかし日本の組織にありがちなのは、縦割りのタコツボ的組織運営であり、霞が関においてはそれが省庁対立という形で顕在化しているということです。
 もっと具体的に言いますと、「NSC事務局は〇○省のもの」という意識が根付いてしまうと、それ以外の省庁はNSC事務局に前向きに協力する気が起きなくなりますし、また内調とNSC事務局の間でもやりとりがぎくしゃくしてしまいます。これでは折角NSCを設置しても「仏作って魂入れず」、になってしまいますので、NSC事務局では特定の省庁の色をなるべく薄める必要があるかと思います。もちろんNSCは外交・安全保障を策定する場ですので、外務省と防衛省がリードするのは当然なのですが、トップの事務局長が特定の省庁の指定席になるとか、NSCにおける各省庁からのポストはそれぞれ何人、といったようなことはなるべく避けていかないといけません。
 この間ふと気になって、イギリスの方に、NSCのスタッフに占める各省庁の割合を聞いてみたのですが、回答は「知らない。それが重要なの?」というものでした。彼によるとNSCという所は必要な戦略立案のために、その時々のベストな人材を派遣してもらうという方針なので、特定の官庁から何人、というやり方ではとても回らない、ということでした。流石に我が国ではこれを真似ていくのは難しいかもしれませんが、少なくとも戦略策定のためには「オールジャパン」で当たらないといけない、そのためには省庁の縄張り争いを越えていかなくてはいけない、といった意識を持つことが、NSC運用の秘訣なのではないかと思います。折角「日本版NSC」を設置するのですから、箱ものになってしまうのだけは避けていただきたいです。
 あとやはり特定秘密保護法案の方も、NSCと内調、各省庁間で情報をやり取りする上で重要なインフラですので、こちらも粛々と法制化していく必要があるかと考えます。
# by chatnoir009 | 2013-10-30 18:58 | インテリジェンス

63.4%

秘密保全法案に対する国民の反応
 最近の時事通信の世論調査によりますと、特定秘密保全法案について「必要だと思う」と答えた人は63.4%、「必要ないと思う」は23.7%だったそうです。この世論調査では「この法案には国民の知る権利や報道の自由を制限しかねないとの異論もある」との説明後に賛否を確認していますので、これは驚異的な数字だと言えます。つまり国民の多くが何らかの秘密保全の制度が必要であると感じているようです。
 この数字に危機感を感じたのか、この所、報道機関や法曹界、日本ペンクラブ、さらには某女優までが、秘密保護法案に反対の大合唱を繰り返しています。「秘密保全法は国民の知る権利や表現の自由を奪う」という謳い文句で、国民の不安を煽る戦法のようですが、はっきり言いますと秘密保全法案は大多数の一般国民にはほとんど影響のない話です(ただし「特定秘密保全法」という直球のネーミングにはやや不安を煽られます。「政府の情報が漏れないようにするための法律」ぐらいが良かったのでは・・・)。ネットで色々な意見を拝見していますと、少数派の反対の声はとても大きいのですが、多数派の賛成の意見はほとんど見かけないので、少し補足しておこうと思います。

政府の狙い
 個人的には、今回の秘密保護法案の最大の狙いは、政府内、そして外国政府との秘密の標準化にあると考えています。現状では、防衛省・自衛隊のみが独自の自衛隊法(懲役5年)と米国との秘密規定(懲役10年)によって秘密を守っていますが、その他の省庁は国家公務員の守秘義務違反(懲役1年)しかありません。さらに各省庁で秘密に対する認識が異なっており、個人的な印象では、国内系の官庁は秘密には比較的寛容ですし、逆に警察などは秘密主義的なところがあり、秘密でないものもでもとにかく厳重に保管しているようです。
 このような状況では、各省庁間や官邸、さらには外国政府との情報共有などとてもできません。現状で隣国が我が領土に侵攻してくるような場合を想定しますと、恐らくまずは米国が衛星や通信で察知し、その情報が日本政府に知らされるべきなのですが、もしかしたら米国は日本の秘密保持に懸念を抱いて教えてくれないかもしれません。そうなりますと自衛隊か防衛省情報本部あたりが最初に侵攻の徴候をキャッチするでしょうが、そのような情報は防衛秘にあたりますので、他省庁とこれを共有することができません。例えば外務省にこの情報が渡らなければ、外務省は外交ルートで相手国に情報を確認することができません。防衛秘だと内閣官房にもそのままでは上げ難いので、結局首相補佐官を通じて官邸に直接上げるしかないのですが、いきなり総理に専門的な情報を上げても、総理がそこで迅速な決断を下せるかどうかは極めて難しい問題です。
 となりますと、確認が取れるまでは動かないほうが良い、下手に相手を刺激しない方が良い、という無難な方向に流れてしまうでしょう。情報によって事前の策を投ずるのと、問題を先送りしている間に領土の一部が占領されていた、ではその後の対応が大きく変わってきます。秘密が統一されていない状況では、新たに国家安全保障会議(NSC)が設置されたとしても、状況はあまり変わらない気がします。政府の各組織がそれぞれの情報を共有できるようになるためには、政府で統一された秘密を指定しておき、各省庁が同じ基準で情報を扱えるようにしておかないといけないわけであります。実にシンプルな話です。

情報の不開示について
 ところが反対派は国民の知る権利、特に原発問題に絡めて論点を逸らしているような印象です。はっきり言いますと、原発に関わる情報の公開は「公共の安全及び秩序の維持」に関わらない限りは問題ないと思います。ただ核燃料の輸送などに関しては、それがテロ組織などに狙われると大事になるという理由で、情報の不開示を決定した判例は存在しています。さすがにこれは仕方がないという印象です。
 反対派は、秘密保全法案の適用範囲が曖昧なために、政府が「秘密」を拡大解釈してなんでもかんでも情報を隠すような、戦前のイメージで懸念を抱いているようです。ただ情報の開示・不開示については、既に1999年の行政機関情報公開法で規定されていまして、不開示とすべき情報については規定(第5条)が定められています。つまり今回の特定秘密保全法案は、不開示とすべき情報について新たに、①防衛、②外交、③外国の利益を図る目的の安全脅威活動の防止、④テロ活動の防止、というカテゴリーを追加したにすぎません。これら分野において、どのように秘密を指定するのかについてはその曖昧さが批判されているようですが、この点については行政機関情報公開法に則って処理すべき問題であります。同法律の規定に拠りますと、情報を開示することによる公益と非開示にすることによる利益を慎重に検討して、開示か不開示かが決定されますので、単純に政府に都合の悪い情報を隠すといったことはかなり難しいと思います。
 ただそれでも公開されるべき情報が隠蔽される可能性は残る、という批判が出てくるかと思いますが、そこまで完璧な制度や法律を求め出すと何も動かなくなるのは明白です。これでは「反対のための反対」でしかなく、もう少し情報保全法を導入した際の利点と欠点を冷静に比較して結論を出すことが望まれます。個人的には、情報保全法は国民の知る権利を侵害するようなものではなく、政府の中で情報の共有を妨げている根本的な問題に対する処方箋であると考えます。また国が秘密を管理できなければ、核や生物化学兵器の情報などがテロリストの手に渡る危険性も考えられますので、秘密保全の制度整備は必要ではないでしょうか。現場では秘密の規定が曖昧なために、とりあえず何でも「秘」にしておいた方が安全、という考え方もありますので、むしろ秘密保全法を早急に導入し、何が「秘」で何が「秘」でないのか明確にした方が、はるかに健全だと思います。

報道の自由
 もう一点、やや穿った物の見方をしますが、報道機関が「報道の自由」にこだわるのは、政府から内々に情報を得ることが報道機関の死活的問題になるからだと思います。つまり報道機関は、政府と国民の間にある情報格差の間に立って報道を行っている側面がありますので、政府から内々に情報を得られなくなることはよろしくないわけであります。逆に政府が「じゃあ情報保全はやめます。すべての情報や行政文書はネットで速やかに公開します」と開き直っても、報道機関としては困ってしまうわけです。ですので、反対派にも脊髄反射的な反対と、色々な利害関係を勘案した結果の反対と色々あるのかと想像します。ただ報道の自由に関しては、政府も最近になって配慮を見せていますので、そこまで過敏になることもない気はします。
 
 いずれにしても特定秘密保全法案は公務員と一部の政治家、そして報道機関に関わってくる問題で、一般の国民にはほとんど影響のないものだと考えます。政府的には秘密の標準化とある程度の厳罰化、報道機関にとっては情報源が保障されれば、それ程悪い話ではないと思うのですが。。。
# by chatnoir009 | 2013-09-19 22:40 | インテリジェンス
オリンピックの裏方、スポーツ・インテリジェンス
 スポーツ・インテリジェンスとビッグデータ_e0173454_2212345.jpg
 本ブログ
でも度々取り上げています、スポーツ・インテリジェンスの概論が遂に書籍化されました。スポーツ・インテリジェンスとは、情報(インテリジェンス)によってスポーツ競技を勝ち抜くための知恵(インテリジェンス)とでも言えますでしょうか。具体的には現在のオリンピック競技が、個人選手の能力というよりは組織による「総合力の戦い」になってきているため、選手をバックアップする組織(日本でいえばJOC)が、ルールや新技術(北京オリンピックで話題となったレーザーレーサーの水泳着など)、相手選手に関する情報収集を行い、それらを分析して選手なり競技団体に提供することで、より多くのメダルをもたらそうという活動であります。スポーツ・インテリジェンスの世界でもインテリジェンス・サイクルを原則とし、公開情報のみならず、人的情報や画像情報などあらゆる手段を駆使して情報を集め、それらを分析にかけてインテリジェンスを生み出すという過程は、まさに国家のインテリジェンス活動と同じであります。
 幸いなことにこの分野では日本が最先端のようですから、このまま行けば世界第3位のメダル数獲得という目標も夢ではありませんが、野球のセイバーメトリクスのように他の国が本格的にスポーツ・インテリジェンスを導入した場合(フランスは2012年に導入したそうですが)、比較優位が失われてしまうことも想定しておく必要があると思います。

ビッグデータ 
 最近読んだ本の中では、『ビッグデータの正体』の方も印象に残りました。最近、統計学についての本が売れているようですが、この本は特に面白かったです。恐らくビッグデータ処理の分野では、スノーデン事件で話題になった米国家安全保障局(NSA)が圧倒的に強いと想像します。NSAといえば悪名高い「エシュロン」の中核を担う存在で、世界中から通信傍受と暗号解読によって情報を集めており、所謂「プリズム計画」によって世界中のSNSやメールなどからも膨大な個人情報を集めているそうです。確かにNSAの通信傍受による情報収集能力は驚異的で、数時間で米国の議会図書館に保管されている書籍情報に匹敵するデータ量を収集していると言われていますが、これまではこの集めた膨大な情報のほとんどが処理されないままではないかと推測されてきました。しかしながら最近漏れ伝わってくるところによりますと、NSAはグーグルやマイクロソフトなど世界的なIT企業と協力しながら、ビッグデータを捌くための手段を開発しているようであります。民間のレベルでも、「ハドゥープ」のようなデータ処理ソフトが出回るようになりましたので、恐らくNSAは独自の技術によって莫大なデータを管理・処理しているものと考えられます。

20世紀のインテリジェンスとビッグデータの出現
 ところで20世紀のインテリジェンス(情報活動)の分野では、基本的に「秘密」情報を入手し、それを迅速に軍事作戦や政治に活かした国が有利に立つことができました。例えば第一次大戦のツインメルマン電報、第二次大戦のエニグマ暗号や日本海軍作戦暗号の解読、冷戦期の衛星情報の導入やギョーム事件など、これらは基本的に秘密の情報を上手く取ってきてそれを活かした事例です。つまり情報収集が圧倒的に重要でした。
 逆に20世紀における情報分析の方は専門的な分野を除くと、秘密情報ほどのインパクトはありませんでした。その理由は『専門家の予測はサルにも劣る』でも説明されていますように、①予測や分析というのは色々な事を幅広く知っておくほうが良い、②ところが専門家は狭い専門分野の事しか知らないし、わからない部分については想像で話を作ってしまう、③そもそも現実社会はあまりに複雑だし、分析するには情報の量が圧倒的に足りない、逆に情報がありすぎても分析者は捌けない、というようものです(かく言う私自身も現在のシリア情勢があのような形で展開するとは数週間前に予測できませんでした)。
 スポーツ・インテリジェンスとビッグデータ_e0173454_2214820.jpgところが「情報が足りない」、「情報を捌けない」の話は、ビッグデータの出現とその処理によって大きく変わってくることになります。特にデータ処理で画期的だったのは、それまでの情報分析が因果関係、つまり原因→結果のプロセスを解明するのに労力を割いていたのに対して、ビッグデータの処理は因果関係に囚われず、ただ結果を出し続けるところにあります。因果関係を思索し出すと、どうしても個人的な仮説や主観的な物の見方が入り込んでしまい、分析の精度が下がることになります。
 『ビッグデータの正体』では、グーグルで検索された言葉のデータ解析から、医学の専門家でもないグーグルの技術者がどの州でインフルエンザが流行するかを予測し、それが的中したという事例を冒頭で紹介していますが、従来の分析であれば「何故この州でインフルエンザが流行するのか」という原因を考えることになってしまいます。データ処理はそこをすっ飛ばして、結論だけを提示することころにポイントがあるわけです。

今後の潮流
 21世紀のインテリジェンスの潮流を予測しますと、サイバー戦争(英国キングスカレッジのThomas Rid教授はサイバー「戦争」という用語は適切でないと指摘されていますが)とデータ分析競争になりそうです。後者においては世界中のビッグデータの処理と分析、そしてそこから有益なインテリジェンスを生み出す仕組みや技法を考え出した組織が有利に立てそうです。前述のインフルエンザの事例は、ビッグデータの処理が様々な分野に応用できることを物語っています。つまりビジネス分野はもちろん、統計学を生み出した公衆衛生やスポーツ・インテリジェンスの分野にも応用できますし、外交や安全保障分野においても、ビッグデータ処理の手法を確立する必要があるのではないかと考えています。
# by chatnoir009 | 2013-09-12 22:03 | 書評

合同情報委員会(JIC)

 ロンドンで英国政府関係者の方々と意見交換をする機会があったのですが、その中でも特に英国のインテリジェンスを束ねるJICは印象的でした。2003年のイラクの大量破壊兵器問題の反省(“Iraq hangover”)を踏まえ、JICは政策サイド、特に国家安全保障会議(NSC)の事務局と頻繁に会議を開く関係になったようですし、また情報分析・評価も純粋なインテリジェンスのみで、政治の意向を気にしなくなったようです。JICとNSCの関係は、JIC議長を務められたパーシー・クラッドク氏の提言、「情報と政策の関係は木賃宿のドアを隔てたぐらいの関係がちょうど良い」を実現した形になります。
 またシリア情勢についてもJICの態度は、「報告すべきものは報告した。あとは政治の領域だ」というもので、議会で武力発動を否決されようが、あまり気にしていない様子でした。2003年には政治家の意向に気を使いすぎて、ありもしないイラクの大量破壊兵器の報告を書かざるを得なかった苦い経験から、JICは政治から距離を置くことを決意し、あとはNSCに任せるという割り切った方針のようです。ホワイトホールの他官庁の人々からも話を伺ってみますと、このようなJICの態度によってむしろその情報分析は価値を増した、ということでしたので、やはりインテリジェンス組織は客観的で正確な情報分析に徹するというのが王道のようです。
 
 ところでロンドン滞在中、またBBCの知り合いから「今ロンドンにいるんだって、ちょっと顔出せよ!」とお誘いを受けたのですが、前回の反省から「いや、もう声優は勘弁です」と。。。ただ今回は普通の取材ということが判明しましたので、BBCの番組制作にも協力してきました。

合同情報委員会(JIC)_e0173454_2331619.jpg

# by chatnoir009 | 2013-09-11 22:51 | インテリジェンス

ついに日本版CIA設置か!

 今朝の朝日新聞の一面に、国家安全保障会議(NSC)設置に伴い、内閣官房の内閣情報調査室(内調)を内閣情報局に格上げするとの記事が出ており驚きました。まさに寝耳に水のニュースです。
 
 現状、内閣官房における特別職の序列は、1)内閣官房長官、2)内閣官房副長官、3)内閣危機管理監、4)内閣情報官・内閣官房副長官補(各省庁次官級)といった具合です。新設されるNSC局長のポストは3)の内閣危機管理監と横並びの予定ですので、これでは日本のインテリジェンスを束ねる内閣情報官の位置が格下になってしまいます。そこで内閣情報官を4)から3)に格上げすることで、危機管理、国家戦略、インテリジェンスが横並びに揃うことになります。つまりこれまで格下であった内閣情報官と内調が格上げされることで、「内閣情報局」は日本のインテリジェンスの中心、つまり内閣官房中央情報局(略してCIA)として生まれ変わるのです!
 
 内閣情報監設置に伴い、内閣情報局部内も改編されます。局長の下に、国内、国外、防衛を担当する三人の情報官を設置し、その中からトップの情報監が選ばれることになるそうです。もしこのプランが実現すれば、内閣情報調査室60年の歴史の中では画期的なことです。これまで内調の歴代トップは警察、次長は外務という人事が固定化していました。他省庁から内調を見た場合、内調は警察の出城と写ってしまいますので(実際はそうとも言えないのですが)、なかなか内調と関係各省庁との連携が上手くいかなかった面もあります。警察からすれば内調トップという既得権を手放すのは「あり得ない」選択ではありますが、恐らく内閣情報官の格上げと引き換えに、この人事を受け入れざるを得なかったのではないかと推察します。もし三分野の情報官が今の内閣情報官と同じ処遇だとすれば、警察は国内分野の情報官+輪番による内閣情報監ですからそれ程悪い話でもないのでしょうか。
 
 また内閣危機管理監の方は引き続き警察のようですし、NSC局長は外務・防衛(民間という説も)、内閣情報監は警察・外務・防衛という人事でバランスが取れているような印象です。長年の懸案でありました内調トップ人事の輪番制が実現するとなれば、次の課題は、オープンソースやビッグデータを処理するセンターの設置、さらには対外ヒュミント組織の検討でしょうか。さらには情報局に対する統制や監視の問題も議論される必要があるでしょう。

 とここまで勢いよく書いたところで、新たなニュースが飛び込んできました。何と朝日の記事は誤報だったそうです。慌てて内閣官房に確認しましたが、「そんな計画はありません」とのことでした。。。

 
ついに日本版CIA設置か!_e0173454_18222932.jpg
折角作成したので…
# by chatnoir009 | 2013-08-30 21:04 | インテリジェンス