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「魔法は探し求めている時が一番楽しい」


by chatnoir009
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 ロンドンの在英日本大使館で、日英交流150周年記念行事の一環として、大使館で日英交流に関する記念講演会が開かれました。スピーカーは、英国側はイアン・ニッシュLSE名誉教授、日本側は細谷雄一慶應義塾大学准教授、モデレーターはアントニー・ベストLSE教授という豪華顔ぶれでした。日本大使館はこのような講演会を連続で行っているようですが、今回は上記の諸先生方への挨拶がてら、特に細谷先生はプリンストンからのご参加ということで、久々にお会いするのを楽しみに参加してきました(ちなみに細谷先生のプリンストンでのご活躍は、「細谷雄一の留学記」で詳しく読めます!)。

 現在、日本大使館内では日本のサブカルチャーを普及させる目的なのか、英国人作家の手による「日本風」漫画の展示があり、大変興味深く拝見させていただきました。大使館でいただいた美しいカラーパンフレットにも、鳥獣戯画や見返り美人図に紛れて綾波レイさまのお姿が…!はい、わかります。もはや綾波レイは日本を代表する美人画ということですね。外務省さんもやってくれます。この間もこちらでインテリジェンスを勉強されている若手外交官の方とお話する機会があったのですが、「これからの日本の外交官は、インテリジェンスとサブカルチャーに詳しいことが大前提だコノヤロウ!」と盛り上がってしまいました。

 閑話休題。講演は戦間期における日英関係というやや専門的な内容であったにも関わらず、会場は大入り、日本人よりも英国人の方が多かったような印象でした。まずニッシュ先生から英国側から見た日英同盟の意義、日英での温度差など、ユニークな実例も交えてお話いただき、細谷先生からは日本側から見た日英関係、特に吉田茂や重光葵などいわゆる当時の親英派の対英観について詳しくお話いただきました。一口に吉田と重光と言っても、二人の対英観には微妙な違いがあったことを窺い知ることができたかな、と思います。
  日英交流150周年記念事業_e0173454_21194124.jpgその後、立食パーティーがあり、久々に細谷先生やニッシュ、ベスト両先生との会話を楽しむことができました。細谷先生といえば、御近著、『イギリスとヨーロッパ-孤立と統合の200年』(剄草書房)を編集、出版されたところです。これは日本における英国研究の若手俊英を結集して書かれた、イギリスの対ヨーロッパ政策200年史という壮大な書物であります。一応初学者向けの通史のようですが、それぞれの章はその道の第一人者揃いですので、かなり読み応えがあります。私は戦後の歴史には疎いので、イギリスの対EU政策は特に勉強になりました。日本におけるイギリス外交史研究の層の厚さを実感できる著作です。
# by chatnoir009 | 2009-02-19 09:26 | その他