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ホワイトホール61番地 ~ インテリジェンスを学ぶ

「めちょっく」or「キラやば~☆」?

ビジネス・インテリジェンス

 先月の話になってしまいましたが、GRIPSの北岡元教授が第4作目となる単著、『ビジネス・インテリジェンス』を出版されました。昨年、色々なところで北岡教授のインテリジェンス講座を拝聴していて、「面白い!これは本にして広く読んでもらうべきだ」と常々思っておりましたので、今回の出版で見事その期待に応えて頂いた形となりました。
 本書のタイトルは「ビジネス・インテリジェンス」ですが、その中身はむしろCI(競合インテリジェンス)にあります。本書はCIの代表的研究者、レオナルド・ファルド、ベン・ギラッド氏が運営する、ACI(CIの教育機関)での講座内容を下敷きとして執筆されているようです。ACIに参加しようとすると、恐ろしく費用がかかるそうですので、今回の著作はたった1800円でCIのエッセンスを日本語で読むことができるわけで、大変お値打ちの書ではないかと思います。
 さてそもそもCIとは何か、という話なのですが、簡単に言えば「ビジネスのためのインテリジェンス」ということになります。CIは元々、CIAなど政府のインテリジェンス機関のために働いていた人たちが、ビジネス業界に持ち込んだインテリジェンスの手法であります。そのため本書は基本的に企業家向けの書となっているわけですが、「インテリジェンスは自分の利益(目的)の自覚が不可欠である」、「敵よりもむしろ己を知るべき」といった考え方は、本来のインテリジェンスに通じるものであると思います。
 北岡教授は、今までのインテリジェンスが敵を知ることに労力をかけすぎ、むしろ己を知ることに無頓着であったと説いています。よってCIとは、産業スパイなどを使ってライバル業者の情報を取ってくるようなものではなく、むしろ自社の置かれている状況を的確に分析・判断し、それをどのようにすればよいかの指針とするわけです。こういった問題意識に立てば、なぜ本書が長々とファイブフォース分析やフォーコーナー分析、またシナリオ作成やトリップ・ワイアといった考え方について説明しているのかが理解できます。すべては業界における自分の立ち位置を知るためのツールなのです。e0173454_1392488.jpg
 分析手法が難解だと感じても、様々な企業の実例も豊富に紹介されていますので、結構楽しく読むことが出来ます。例えばなぜポラロイド社が破綻したのか-それはポラロイド社が21世紀のデジタル化の流れを十分に察知せず、それに対して手を打たなかったからだ-という話などは、古今東西の情報の失敗にも通じる話だといえますので、ちょっと変わった角度からインテリジェンスというものを見つめ直すには、大変良い機会だと思います。
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by chatnoir009 | 2009-04-01 01:40 | 書評 | Trackback | Comments(0)
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