OIG
2009年 03月 16日
先日、マイケル・ハーマン教授の招待を受け、オクスフォード大学ナフィールド・カレッジの主催するインテリジェンス研究会(OIG)にスピーカーとして参加してきました。ハーマン教授はオクスフォード大学を卒業後、政府暗号通信本部(GCHQ)や合同情報委員会(JIC)でインテリジェンスのキャリアを積まれ、退官後はノッティンガム大学でインテリジェンスの教育に専念されています。ハーマン教授のIntelligence Power in Peace and War はインテリジェンス初学者にとっては必読のテキストであり、現在でも英米の大学で広く読まれています。
ハーマン教授はオクスフォード大学、ナフィールド・カレッジにOIGの本部を置いて、定期的に研究会を行っておられます。ナフィールド・カレッジは戦後に創設された、オクスフォードの中では新しいカレッジで、その研究分野は政治経済学といった社会科学に特化しています。恐らくロンドン大学におけるLSEの立場に近いカレッジであるといえるでしょう。ナフィールドはOIGを設置し、ケンブリッジのコーパス・クリスティ・カレッジやキングス・カレッジ・ロンドンに追いつき追い越せと頑張っているようですが、ナフィールドのインテリジェンス研究は実務との距離が近く、また理論研究に重きを置いているようです。そもそもナフィールドにおける政治・経済学からしてアメリカ流の計量モデルを重視しているようで、その意味で、ナフィールドのインテリジェンス研究は、他の機関とは若干色合いが異なるような印象を受けました。スピーカーも元職の方が多く、私の前のスピーカーは、元MI6長官のリチャード・ディアラボ氏でした。ディアラボ氏は2003年のイラクの大量破壊兵器について大変興味深い講演をされたそうです。
私もこのような事情は伺っておりましたので、なるべく実務に近い話ということで、最近の日本における情報機構改革について話をしてきました。質疑応答では熱心な質問に驚かされましたが、特に驚いたのはイギリス人から見た日本のインテリジェンス観であります。彼らの印象をごく単純化しますと、「日本はアメリカとの連携を成功させ、しかも自前の偵察衛星も持っている。それでも満足するどころか、熱心にインテリジェンス機構を改革し、さらなる高みを目指している。戦後日本が発展したのは、これらインテリジェンスも寄与しているのではないか」というものであります。ここまで過大に評価していただけると、「そうじゃなくて実は…」というのも心苦しいのですが、果たして私の拙い英語でどこまで伝わったのでしょうか。
しかし議論が進むにつれてなぜか、偶然にもこのブログでも最近取り上げた、シンガポール陥落の原因について議論が戦わされました。やはりイギリス人は、理論よりも歴史重視ですね。私の隣にやたら軍事史に詳しい方がいらっしゃったので、後でお名前をうかがったら、なんと過去にリデル=ハートの伝記を執筆されたアレックス・ダンチェフ博士でした。さすがにイギリスのアカデミズムは奥が深いです。

ハーマン教授はオクスフォード大学、ナフィールド・カレッジにOIGの本部を置いて、定期的に研究会を行っておられます。ナフィールド・カレッジは戦後に創設された、オクスフォードの中では新しいカレッジで、その研究分野は政治経済学といった社会科学に特化しています。恐らくロンドン大学におけるLSEの立場に近いカレッジであるといえるでしょう。ナフィールドはOIGを設置し、ケンブリッジのコーパス・クリスティ・カレッジやキングス・カレッジ・ロンドンに追いつき追い越せと頑張っているようですが、ナフィールドのインテリジェンス研究は実務との距離が近く、また理論研究に重きを置いているようです。そもそもナフィールドにおける政治・経済学からしてアメリカ流の計量モデルを重視しているようで、その意味で、ナフィールドのインテリジェンス研究は、他の機関とは若干色合いが異なるような印象を受けました。スピーカーも元職の方が多く、私の前のスピーカーは、元MI6長官のリチャード・ディアラボ氏でした。ディアラボ氏は2003年のイラクの大量破壊兵器について大変興味深い講演をされたそうです。
私もこのような事情は伺っておりましたので、なるべく実務に近い話ということで、最近の日本における情報機構改革について話をしてきました。質疑応答では熱心な質問に驚かされましたが、特に驚いたのはイギリス人から見た日本のインテリジェンス観であります。彼らの印象をごく単純化しますと、「日本はアメリカとの連携を成功させ、しかも自前の偵察衛星も持っている。それでも満足するどころか、熱心にインテリジェンス機構を改革し、さらなる高みを目指している。戦後日本が発展したのは、これらインテリジェンスも寄与しているのではないか」というものであります。ここまで過大に評価していただけると、「そうじゃなくて実は…」というのも心苦しいのですが、果たして私の拙い英語でどこまで伝わったのでしょうか。
しかし議論が進むにつれてなぜか、偶然にもこのブログでも最近取り上げた、シンガポール陥落の原因について議論が戦わされました。やはりイギリス人は、理論よりも歴史重視ですね。私の隣にやたら軍事史に詳しい方がいらっしゃったので、後でお名前をうかがったら、なんと過去にリデル=ハートの伝記を執筆されたアレックス・ダンチェフ博士でした。さすがにイギリスのアカデミズムは奥が深いです。

by chatnoir009
| 2009-03-16 23:18
| インテリジェンス

