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ホワイトホール61番地 ~ インテリジェンスを学ぶ

「めちょっく」or「キラやば~☆」?

GCHQオフィシャル・ヒストリー

 イギリスのインテリジェンス研究者界隈では幾つか有名な研究会があるのですが、その中でも最も大きなものが、ケンブリッジ大学が中心になって運営しているSGIになります。元々は同大学のクリストファー・アンドリュー教授が中心になって開催されていましたが、その内、お弟子さん筋や他大学の研究者、さらには実務家なども合流し、イギリスのインテリジェンス研究の中心的な役割を果たすまで至っています。私も都合が合う限りできるだけ顔を出すようにしているのですが、なかなかタイミングが合わず、ここ数年はすっかりご無沙汰になっている状況です。しかし今回はGCHQのオフィシャル・ヒストリアンに任命されたジョン・フェリス教授の報告が聞けるという事で、1月ぐらいから楽しみにしていたのですが、色々な雑務が積み重なってその処理に四苦八苦している内に、すっかり頭から抜け落ちておりまして、ロンドンに滞在していながらケンブリッジに行くのを忘れてしまう、という大失態を演じてしまった次第であります。
 そもそもGCHQはイギリスの通信傍受組織でありまして、情報組織としては最も秘匿度の高い組織であります。MI6やMI5が公式史を出版してもGCHQは絶対に出さないだろうと言われる程だったのですが、ついに英政府はフェリス教授を公式史家に指名して、公式史を出す決断を下しました。GCHQが公式史を出すということ自体も驚きだったのですが、その著者にイギリス人ではなく、カナダ人の同教授を指名したというのも個人的には驚きました。カナダは5Eyesの一員だから、という認識なのでしょうか。まぁ確かに、今のイギリスにフェリス教授に匹敵するような情報史家といえば、ウォーリック大学のリチャード・オルドリッチ教授ぐらいしか思いつきませんが、同教授は公式史家という考えには否定的な所があります。つまりオルドリッチ教授は学者が政府に忖度しつつ歴史を書くのはいかがなものか、という信念をもっておられまして、既に2010年、独自の研究によってGCHQという著作を発表されています。この研究書もかなり部内者のインタビューに頼っているところはあるのですが、それでも在野の研究者がGCHQについて書いたものとしては決定的な内容だと思います。ですので、フェリス氏がGCHQの公式史を書くと当然、このオルドリッチ版と比べられるわけでして、そこはかなりのプレッシャーかと思います。
 そういった事情もあり、色々と聞いてみたかったので、SGIに参加するつもりだったのですが、何故か頭からすっぽりと抜け落ちていました。帰国して、たまたまフェリス教授からメールをいただいて思い出した次第で、慌てて幾つか質問を投げかけたところ、とりあえず今年の11月には本が出版されるのでまずはそれを読んで欲しい、とのことでした。今度こそ忘れないようにゲットしないといけません。。。

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by chatnoir009 | 2019-03-21 15:16 | インテリジェンス | Trackback | Comments(0)
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