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ホワイトホール61番地 ~ インテリジェンスを学ぶ

「めちょっく」or「キラやば~☆」?

風呂敷

 広げた風呂敷をどう回収するか、これはアニメや漫画にとっては古くて新しい問題でしょう。手塚治虫氏や永井豪氏はそれなりにモノガタリを纏めるのが上手かったと思いますが、最近では広げた風呂敷は広げっ放しという作品が多いような気がします(そもそもテレビで1~2クールもかけて最後に「続きは劇場で!」では、クリエイターとして余りにも責任感のない話です)。『エヴァ』や『ワンピース』は大風呂敷を広げ続けることで人気を獲得してきましたし、名作と言われる『20世紀少年』にしても、後半の広げた風呂敷のたたみ方が拙かったように思います。やはり個人的には風呂敷のたたみ方が名作かどうかの分かれ道になる気がします。
 今や飛ぶ鳥を落とす勢いの『進撃の巨人』にしても、最初の風呂敷を広げていく序盤は凄く面白いとは思うのですが、果たしてこの先、伏線の回収やモノガタリの決着は大丈夫かと心配になります。はっきり言いますと、ストーリーの風呂敷を広げるのは結構簡単なのです。問題は「どう畳むか」の方です。最近のアニメでは『翠星のガルガンディア』が中だるみしつつ意外にも善戦した印象ですが、恥かしながら鳴子氏の名前を聞くとアチラの方を連想してしまうわけでして。。。まぁ虚淵ブランドということで安心はできるのですが(ただ『サイコパス』は微妙です)。
 虚淵氏の代表作といえば、もちろん『まどマギ』でありまして、遅ればせながらようやく劇場版『叛逆の物語』も観てきました。テレビ版では広げた風呂敷を上手く畳みましたので、正直、劇場版ではまた風呂敷を広げることになるのか、と予想していたのですが、劇場版は暁美ほむらの心に芽生えた違和感から上手く話を展開させ、きちんと限られた尺の中で話を完結できたと思います。物理学的に言えば、ほむらの心の中で生じたビッグバンが宇宙を作り替えてしまったということでしょうか。
 個人的な思い込みから言えば、テレビシリーズでは魔法少女たちの「希望と絶望」がテーマだったわけですが、劇場版は「希望と絶望すらも越える愛」つまりはラブストーリーだったわけです。しかしラブストーリーという一本のテーマに魔法少女や世界の因果律といった様々なスパイスを効かせ、さらにはイヌカレー氏の世界観や劇場版ならではの緻密な作画によって、独特の世界を生み出すことに成功しています。そして何より秀逸なのは、劇場版の最後がまたテレビ版の第一話に繋がっても違和感のない仕上がり、つまりは二周目の世界になっているということです。通常なら劇場版のような限られた時間では広げた風呂敷を回収できず、最後は観てる方のご想像にお任せします、と投げてしまうことも多いのですが、劇場版『まどマギ』は恐らく計算づくで話を作ったのでしょう。
 ところでアニメの世界では、実写では表現できないことが表現できるわけです。空を自由自在に飛び回ったり、突然異空間が現れるような描写は実写ではなかなか難しい。逆に実写で実現できることならアニメで表現する必要性はあまりないわけです(『サイコパス』が微妙だったのは、実写のノリでアニメを製作した点にあるように思うのですが)。しかしその反面、アニメは独自の表現方法に頼るばかりに、モノガタリの方が疎かになってきた点は否定できません。ぶっちゃけ、「多少、雑な話でも作画でなんとか誤魔化せる」、「萌えてさえいれば何とかなる」といった具合でしょうか。
 特にラブストーリーの場合、絵が地味になってしまいますので、どうしても本格的なものはアニメでやり難いところがあります。しかしながら今回の劇場版『まどマギ』は、ラブストーリーをアニメ独自の表現方法で描き切った名作だと思います。きちんとしたテーマを理詰めで押さえながら、感性で表現する、といったところでしょうか。正直、ここまでハードルを上げられると、後に続く作品はやり難くなるでしょう。しかし『まどマギ』を観て思うのは、やはり広げた風呂敷はきちんと折りたたまないといけない、ということと、よほどの覚悟がない限り、折りたたんだものをまた広げてはいけない、といったことでしょうか。スピンオフやサイドストーリーならまだしも、二期など論外です。もちろんアニメや漫画をどう観ようとそれは個人の自由なのですが。。。
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by chatnoir009 | 2013-11-06 22:30 | サブカルチャー | Trackback | Comments(0)
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