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「めちょっく」or「キラやば~☆」?

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

ヱヴァとナディア
 ネット上では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』への酷評が目立ちますが、個人的には大変満足しています。これは「ヱヴァ」に何を求めるかというところで見方が変わってくるのでしょう。確かに内容的には、緻密で迫力のある作画を除くと、話は難解で前作からも唐突に飛躍してしまっているので、私自身も予習と復習を重ねなければなりませんでした。恐らく軽いノリで観に行くとシッペ返しをくらい、「意味が分からん」となってしまうこと必至だと想像します。「序」や「破」と違って観る側が試される作品となっています。
 ただ映画という媒体で一般に公開されるものが「一見さんお断り」というのは困りものですが、コアなファンになればなる程、今回の劇場版は見どころ満載の内容だったと思います。恐らく我々にとっては、「エヴァの新作が劇場で観られる」という高揚感を感じられれば十分なんだと思いますが、それでは身も蓋もありませんので、私なりに感じた印象を書かせてもらいます。
 恐らくテレビシリーズでも展開された、謎が謎を呼ぶ展開や回収されそうにない伏線については、これはもう仕方ないかと。本作における謎解きはキリがないので脇に置いておきます。
 ニア・サードインパクトから14年後のネルフとヴィレの対決というシナリオ展開は相当斜め上を行った印象ですが、思い返せば1990年に同じく庵野監督が製作した『ふしぎの海のナディア』も相当唐突なシナリオ展開がありました。この作品は当初海底二万哩を下敷きにしたナディアの自分探しの冒険活劇だったわけです。ところが第36話以降は唐突にネモのNノーチラス対ガーゴイルのレッドノアの艦隊決戦となり、19世紀という設定にもかかわらず衛星軌道上でのドンパチになってしまうわけです。
 ヱヴァQもこの展開に良く似ており、ヴンダーが起動するシーンはNノーチラス号起動と同じBGMが使われているので、ナディアを観たことがあれば必ずオーバーラップするシーンです(元ネタはヤマトですが)。そう考えると何となくヱヴァQの碇ゲンドウはガーゴイルに、葛城ミサトはネモに置き換えられますし、恐らくシンジはナディアと同じ立ち位置になるでしょう。

心の葛藤
 e0173454_1565058.jpg第35話「ブルー・ウォーターの秘密」でナディアは廃墟となった旧タルテソス王国で真実を知り、絶望のあまり自殺を試みることになります。今回のシンジも廃墟となった第三新東京市を目の当たりにして愕然とするわけですが、シンジの場合は自殺には向かいません。それは言うまでもなく渚カヲルの存在と、エヴァに乗り込めばやり直せるかもしれないという僅かな希望が残されていたからです。カヲルとシンジは、二人でピアノを弾き続けるというささやかな幸せよりも、セカイをやり直すことで更なる可能性を求めたのですが、最後の希望であった可逆性が実はファイナルインパクトであることが判明し、さらに目の前でカヲルを失うことでシンジは廃人同然となってしまうわけです。
 ナディアでは自殺を試みたナディアを介抱したのはジャンでしたが、ヱヴァではその役回りはアスカになるでしょう。草食系のシンジと肉食系のアスカ、今風です。本作でアスカはエヴァのパイロットとして大活躍ですが、むしろ心のどこかでシンジを気に掛ける女性という設定に惹かれました。アスカもツンデレを卒業し、精神的には成熟したものの、シンジには複雑な思いを抱いているようです。カヲルを除くとアスカは唯一シンジのことを考えていた存在とも言ってよいとも思います。シンジに対するイライラと14年ぶりに会えた感情の間で板挟みになり、初対面では拳を振り上げてしまうアスカですが、映画の最後にシンジのエントリープラグに向かうシーンでは、心底シンジのことを心配していたのだと思います。ちょうどヤシマ作戦の後、シンジがレイのプラグをこじ開けたのと同じような、本作屈指の名場面です。
 「Q」は登場人物が絞られているため、それぞれのキャラがよく描けているという印象です。ですからシンジとカヲル、アスカの心の葛藤、さらにはトリガーを引けないミサトやアスカを見守るマリ、というようなそれぞれのキャラの立ち位置に注目すれば、なかなか面白いのだと思います。まぁあくまでも個人的感想に過ぎませんが。

次作への期待
 e0173454_15121698.jpgQが不評なのは、先に『巨神兵東京に現わる』で期待を抱かせ、初っ端の宇宙戦闘と艦隊戦というドンパチでテンションが最高潮に達した後、ひたすら物語が沈んでいくという構成にもあるのではないかと思います。最後にいつもの予告編が入ることでほっと一息つけるのですが、あれがなかったら息苦しくてかないません。案外、庵野監督の狙いもその辺にあるのかもしれません。
 『ナディア』の場合は第35話で思いっきり突き落としておいて、36話から怒涛の展開になるので、観ている方はNノーチラス号の登場に爽快感を感じるわけです。エヴァの次作も大どんでん返し→一気にゴール(恐らく謎は謎のまま)、という展開が定石なんだろうと思うのですが、テレビ版でも劇場版でも散々視聴者を裏切ってくれた庵野監督ですから、さてどうなることやらといった感じです。
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by chatnoir009 | 2012-11-27 23:36 | サブカルチャー | Trackback | Comments(0)
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