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ホワイトホール61番地 ~ インテリジェンスを学ぶ

「めちょっく」or「キラやば~☆」?

イラン情勢

 昨日、イランの科学者、ムスタファ・アフマディ・ロウシャン氏が路上で爆殺されるというニュースに接しました。同氏はイラクの核開発、特にウラン濃縮の工程に関わっていた人物のようです。報道によりますと、暗殺者はバイクで氏を乗せたプジョー405に近づき、後部座席ドアに吸着型爆弾をセットして走り去ったとのことです。ロウシャン氏は即死とのことですが、同乗者と運転手は何とか命を取り留めたようで、これは明らかにロウシャン氏のみを狙った暗殺工作のようです。
 もう様々なところで言われていますが、本工作はイスラエルの情報機関、モサドによる可能性が高いとのことです。私も個人的には恐らくそうなんだろうと思います。歴史を振り返ればモサドは1962年にダモクレス作戦を実行し、エジプトのミサイル開発に関わった科学者を殺害しました。この時はイセル・ハルエル長官自らが西ドイツに乗り込み、ミサイル開発に関わっていたドイツ人科学者への銃撃に参加したほどです。また1979年にはイラクの核開発を阻止するため、フランスからイラクに輸出されようとしていた原子炉の部品を爆破し、さらに買い付けに来ていたエジプト人科学者をパリで葬っています。最近ではこのブログでも取り上げましたように、スタックスネット・ウイルスによるイラン核開発施設の暴走の誘発や、2010年にもイラン人核物理学者2名が殺害されており、この手の秘密工作の事例にはきりがありません。
 もし今回の犯行がモサドによるものであるならば、これはイランに対するイスラエルからの警告に他なりません。イスラエルはスタックスネット→暗殺とイランに対する行動を徐々にエスカレートさせていますので、これ以上続けると武力行使を行うぞ、という意味合いが含まれているのではないでしょうか。上記のイラク核開発に対する妨害工作の後もイラクは核開発を放棄しませんでしたので、最終的に1981年6月、有名なオペラ作戦によってイラク軍はイラクの核開発施設を電撃的に空爆しました。ここから言えるのは、現在のイラン情勢も相当緊迫しており、もし有事となれば石油輸送ルートであるホルムズ海峡が封鎖されてしまうかもしれませんので、我が国にとっても対岸の火事とはなりえません。
 また今回の一件は、3月のイラン大統領選挙にかけての揺さぶりとも捉えることができます。この事案がイランの大統領選挙にどのような影響を与えるのか、また今回の暗殺は事前にアメリカに伝えられていたのか、この辺が気になるところです。ガイドナー財務長官やクリントン国務長官の発言を見ていますと、今回の一件はアメリカ側に伝わっていたとも考えられます。本日、アメリカのガイドナー財務長官から対イラン経済制裁への協力を求められたことについて我が国は慎重に考慮しないといけません。当面イラン情勢から目が離せないようです。
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by chatnoir009 | 2012-01-12 21:59 | 国際情勢 | Trackback | Comments(0)
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