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「魔法は探し求めている時が一番楽しい」


by chatnoir009
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Strengthening the central intelligence machinery

 本日、Robert Hannigan内閣官房首相補佐官(情報)による政府のインテリジェンス組織強化説明会がありましたので参加してきました。ちょうど同日、内閣官房からインテリジェンス組織改革レポートが発表されましたので、これに合わせた説明会となったようです。何度も書いていますように、本年はイギリスのインテリジェンス・コミュニティーが創設されてからちょうど100年になりますが、イギリスのインテリジェンス改革を提言したバトラー報告書の発表からも5年目の年であり、どうやら今年がイギリスのインテリジェンスにとって大きな節目となっているようです。補佐官も「イギリスのインテリジェンスは1909-49年、1949年-89年、1989-2009年と改革を挟みながら進化してきた」と説明されていました。
 討議には現役、元職の5、6、GCHQ、DIS、さらにはJICから評価スタッフまで勢揃いでして、内閣官房の案に対するそれぞれの組織の意見が飛び交いました。ちなみに私の左隣には元JIC議長のSir Paul Lever、右隣には元JIC、GCHQのMichael Herman氏が座っておられたので、解説役には事欠きませんでした。
 Hannigan補佐官の説明によりますと、情報補佐官とは内閣官房における情報コーディネイターの役割を担っており、JIC議長がインテリジェンスそのもののアドヴァイザーであるとするならば、情報コーディネイターの役割はイギリスのインテリジェンス・コミュニティーの組織全体を見回し、①情報コミュニティーに情報要求を発する、②インテリジェンス・コミュニティーがきちんと運営されているのかチェックする、③国民への説明を行なう、といったものであります。すなわち内閣官房の中にインテリジェンスを扱うJIC議長とインテリジェンスの組織を管理するコーディネイターが存在していることになります。
 このコーディネイターは1960年代から存在していたようなのですが、当時冷戦への対処に忙殺されていたイギリスのコミュニティーは組織改革どころではなく、とにかく試行錯誤で組織を運営していたようです。そして冷戦が終結して一息つけるかと思いきやイラク情勢が不安定となり、それまで機会主義的に対応していたツケが一気に噴出することになります。そこで2004年のバトラー報告書の提出によってイギリスのインテリジェンス組織が見直され、本日の改革案にたどり着いたという形になります。
 本改革案ではコーディネイターの権限を強化し、必要とあらば各インテリジェンス機関や省庁から評価スタッフを強引に引っ張ってくるとのことです。これに対して本日の出席者からは勝手に内閣官房に優秀なスタッフを引き抜かれては困る、といった意見が聞かれましたが、それに対して補佐官は、「requirement priority system」という言葉を使用されていました。すなわちインテリジェンスは国家の安全保障戦略を支えることが最優先であるのだから、各組織は国家(内閣官房)の要求に従わなければならない、という話であります。またコーディネイターは必要があれば、5と6を協力して活動させるようなこともできるようです。どうやらイギリスもアメリカとは異なる角度からインテリジェンスの中央集権化を進めているようにも見えます。
 このコーディネイターの役割は、各省庁間の縄張り争いが絶えない我が国のインテリジェンスにとっても重要なヒントとなることでしょう。日本の問題点は情報収集云々よりも、情報を上手く政策や戦略に活用できない点にありますから、コーディネイターというのはまさにそのような問題を解消するのにもってこいの存在であると言えます。
 しかしMI6のエイプリルはカッコいいですね~。活躍にシビレました。
by chatnoir009 | 2009-10-09 01:51 | インテリジェンス