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「魔法は探し求めている時が一番楽しい」


by chatnoir009
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Ghost in the Shell

 こちらではしばらくイースターの休暇でした。日本でもそうですが、連休中には旅行など、外に出かけるものではありません。この機会に私は日本男児らしく(!)攻殻機動隊の「Stand Alone Complex」と続編の「S.A.C. 2nd GIG」52話分をすべて堪能し直しました。色々なところでも話題になっていますが、日本でDVDボックスを買うと、2シリーズ分で6万円近くかかるのですが、こちらで買うとなぜか30ポンド(4500円)ほどです。この価格差が生じる理由はよくわかりませんが、迷わず大人買いして観続けました。オープニングだけは英語版としてリメイクされているようで、若干違和感がありましたが、ちゃんと最後にもタチコマの日々が付いております。今回観直して色々と気づくことがあったのですが、1期目はやはり社会学の観点から見ると面白いのでしょうか。私はその辺は疎いのであまりわからないのですが、まさか大澤真幸先生に言及されていたとは、前回の視聴ではすっかりと見逃しておりました。
 私の専門から言えば、2期目はより興味深いものです。まずは政府における各省庁のつばぜり合いが、極めてリアルであります。特に官邸で、警〇、外〇、防〇、海〇が縄張り争いと責任の押し付け合いをするシーンなど、どこかで聞いた話だと思わず苦笑してしまいました。公安9課を除くと、他の組織は結構現実に近い編成です。シリーズでは内チョウの権力が相当強く描かれていますが、実際の所はあれ程強力かつ秘密の組織ではありません。予算、人員、権限、情報力から見ますと、私のイメージは、警>外≒防≧内≧公、といった感じになっているのですが、これはあくまでも私のゴーストがそう囁いているにすぎません(笑)。
 あと難民問題ですが、あのテーマは私の最近の関心から、パレスチナ問題、特に1987年のインティファーダ(民衆蜂起)を髣髴とさせました。これはイスラエルのガザ地区、及びヨルダン河西岸地区で、パレスチナ人の一斉蜂起が生じ、最初の1年間だけで2万人の逮捕者と4000人の死傷者を出してしまい、イスラエルの公安機関(シャバク)の手には負えなくなって、イスラエル政府が国防軍を投入してこの蜂起を力でねじ伏せようとした事案であります。この時、「2nd GIG」で描かれたクゼのような人物は登場しませんでしたが、国外からこの暴動を操っていた人物は、PLOのアラファト議長の右腕であったアブ・ジハドであったといわれています。アブ・ジハドは当時、北アフリカのチュニジアから、ガザや西岸地区に暴動の指令を出していたそうです。これは劇中では、プロデューサーの役割を演じたゴウダに近い役割です。
 そこでイスラエル政府は最終的な解決策として、混乱の原因と見なされたアブ・ジハドの排除を試みます。1988年4月16日深夜、チュニジアに潜入したモサド及び国防軍の特殊部隊が、アブ・ジハドを秘密裏に暗殺することになります。アブ・ジハドも武器を持って反撃を試みましたが、特殊部隊の狙撃によって銃を持っていた腕は吹き飛ばされ、一発の反撃すらも許されなかったそうです。まさに事実は小説よりも奇なり、といったところですが、こういったことを調べれば調べるほど、モサドの特殊工作チーム、「キドン(バヨネット)」と公安9課がダブって見えてしまうのです。
by chatnoir009 | 2009-04-18 21:50 | その他